【団役員コメント:日比慶久】
2月19日清水港を出発後、1時間も経たない間に海から大きなうねりを伴なった高波が我々に襲い掛かってきた。この揺れは翌朝まで続き、大半の人が船酔いに倒れた。翌20日朝4時に望星丸は40度の勾配を記録する大揺れに見舞われた。終日船に慣れる日と設定したこともあり、徐々に揺れがおさまり始めると、ダウンしていた学生たちも元気を取り戻し、各グループに分かれ船内での生活を楽しみ始めた。3日目の21日は初めて後部甲板へ出る許可が船から下り、朝の点呼・体操を経験した。その後再度揺れが強くなったため、甲板へ出る許可は中止となったが、船長の計らいで、操舵室の入室許可がおり、室内の見学をはじめ、荒れる海原に聳え立つ孀婦岩(そうふがん)、波間に現れるザトウクジラや滑空するカツオドリなど多くの事柄を視認する事ができ、各自歓喜の声をあげた。第1寄港地である小笠原諸島父島への期待を更に膨らませ21日を終えた。我々団役員も父島で研修生が得る体験や新たな発見や気付きに期待する次第である。
【13班のコメント】
浅沼 悠
今日は、研修航海が始まって以来初めて甲板に出ることができました。数日ぶりに外の空気を吸うことができて非常に嬉しかったです。しかし、その後は波がさらに荒れたため再び外に出られなくなってしまいました。海は気まぐれですね。残りの研修期間、そんな海とうまくやっていけるように頑張りたいと思います。
御子柴 夏希
今日は朝から波が強く、大半の人が酔ってしまいました。朝の体操を終え、朝食を食べた後は、洗濯をしました。船での洗濯は大変でした。午後は、孀婦岩(そうふがん)という岩を操縦室から見ることができました。非常に迫力がありました。明日は小笠原に着く予定なので、体調を整えておきたいです。
池田 真依
今日は朝から海が大荒れで、研修航海が始まって以来、一番船が大きく揺れていました。揺れに耐えながら体操をおこない、潮風も浴び、気持ちが落ち着きました。お昼には、ブリッジに上り、孀婦岩(そうふがん)を見に行きました。その時に、はじめて生のクジラが潮を吹いたのを見て、感動しました。今日は色々な経験をすることができて、充実した一日でした。
矢野 朝子
出港して3日目です。昨日の夜は結構調子が良くて動けました。そのため、今日の目標は3食ご飯を食べることでしたが、もうすでにお昼ご飯を食べ損ねてしまいました。今日の19時頃とんでもなく揺れるそうです。とても怖いです。みんなで頑張って乗り越えよう!!
アハメド・アティラ
悲しい、つらい、気持ち悪い。こんな言葉は言いたくない。だが、これが今日の私だ。一体なぜこうなったのかって?それはこの状況だ。まず船酔いでベッドから食堂に行っても数分してまた戻ってくる。お腹は減っているのに。結局パンとコーンスープ2口。ついでに私はイスラム教徒で豚が食べられない。どうしよう。とりあえず持ってきたウィダーを飲んだ。これからしがみつかないといけない程の波が来る。一体どうなるのだろうか。
木村 晴海
現在時刻は16時ちょうど。先ほど、19時に大きな横波が来る予定なので、物品を最大限固縛して予定時刻には何か物につかまっておくようにとの船内放送が流れた。控えめに言っても怖すぎである。吐きそうになりながら急いで洗濯機を回してきた。出港してからずっと、大荒れの中ということもあり自室のベッドと仲良しこよし状態であったが、昨夜はすこしだけ調子がよく、「この調子なら明日にはこの揺れに慣れているかも!」と自分は浮かれていた訳ではあるが、本日も朝からろくに飲み食いできずベッドとはそろそろ親友関係になりそうである。こんなはずでは。研修航海、思った以上に過酷でこれは一か月後に確実に強くなっているだろうなと思わざるを得ない。