ご挨拶

第50回海外研修航海
吉田 一也団長

学校法人東海大学
第50回海外研修航海研修団 団長
東海大学工学部精密工学科
教授 副学長

吉田 一也

Think Ahead, Act for Humanity~未来へつなぐ航海

第50 回海外研修航海への参加を許可された諸君、誠におめでとうございます。この研修航海は本学が所有する海洋調査研修船「望星丸」を使用し、本学でしかできない伝統的でかつ先進的な実践教育プログラムです。第1 回から49 回までの航海には、これまで3000 名をこえる学生が参加し、船内での生活や寄港地での研修を通して、人生の指針と一生の宝となるかけがえのない財産を見つけてきました。今回参加する諸君にとっても人生を成功に導くメソッドを得る機会となることは間違いありません。今回は往路飛行機を利用しますが、47 日間の長期間にわたって同じメンバーと船で共同生活を送るという経験は大学4年間の間でしかできるものではありません。
 この研修航海のテーマは「Think Ahead, Act for Humanity ~未来へつなぐ航海」としました。
 今回の海外研修航海は記念すべき第50 回の研修航海であり、日本からみて地球の真裏に位置し、モアイ像で有名なチリ領のイースター島をはじめ、仏領ポリネシア、サモア独立国とミクロネシア連邦を訪れるコースを巡ります。そして航海中には、同行する教職員14名のユニークな授業のほか、企業などからの協力で実現した数多くの洋上冠講座を用意しています。またスポーツ大会など、学生の皆さん自身が作り上げるイベントも開かれます。多彩なプログラムを通じて、異なる専門分野を学ぶ学生98 名と共に海外の諸文化・諸事情に触れ、大いに楽しみながら、国際的視野に立った世界観・人生観を確立してください。
 学園の創設者・松前重義先生が好んで使われた「我々の前には道はない、我々の後ろに道はできる」という言葉を、我々団役員とともに実践しましょう。きっと人生の糧となる経験と大きな感動が得られるはずです。この47 日間の海外研修航海の中で人々との交流、多様な文化理解、幅広い分野の学び、貴重な体験を通じて、研修団の皆さんがそれぞれの将来を切り開く第一歩となる「未来へつなぐ航海」となることを願っております。

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東海大学海洋調査研修船 望星丸 船長
荒木 直行

「第50 回記念 海外研修航海に思う」

1968 年、第1回海外研修航海が東海大学丸二世で始まった。その時、松前達郎総長も乗船された。沖縄や小笠原がまだアメリカの統治国として外国の時代であった。それから50回も継続できたのも、総長の海外研修航海に対する熱い情熱のたまものと思われます。(総長は、乗組員以上に、船に大変お強い。)
 1974 年、第6 回、私は、初めて初代の望星丸に練習学生として参加させて頂いた。当時、「海外研修航海は莫大な費用が掛かる。第4 回で東京~ハワイの横の線を走ったので、第6回で東京~オーストラリアの縦の線を走って終わりにしよう。」と決まりかけたが、総長の強い思い入れにより、継続された。
 しかし、第7 回、第8 回、第9 回、第10 回と学生が20 ~ 30 名しか集まらず、さすがに廃止の意見が大勢を占めた。だが、総長は堪え忍ばれた。
 1979 年、第11 回で、払い下げ船を改造し望星丸二世としたら、奇跡的に参加者が増え、練習学生に下船してもらっても、なお定員オーバーになる程だった。1993 年、第25 回まで続いたが、第三種船だったため、「第三種船では、練習学生は良いが、一般の学生は乗船できない。」との事で、存続の危機を迎えた。
 1993 年、総長の呼びかけにより、多数の方々のご協力を頂き、東海大学建学50 周年記念事業の中に、新望星丸建造計画が採択され、現在の望星丸が進水した。当時日本でも数隻しかない第一種船(国際航海)資格を持ち、ID 級耐氷構造も備え、その上JG とNK の二重検査にも合格し、一般の学生さんも国際航海に行けることになった。
 1996 年、第28 回は、世界一周航海で、総長のご尽力により、創設者松前重義博士の夢「デンマークにある東海大学ヨーロッパ学術センターから見えるバルチック海に、我が東海大学の船を浮かべてみたい。」を叶えられた。松前義昭理事長も、参加された。(1997 年は割愛。)
 今までに、南太平洋コースや東南アジアコースや中国コースで、有意義な研修が続けられ、又特別に、皆既日食航海やウラジオストク航海などもあった。その中には、苦しい難局もいくつかあったが、その度に、総長や山田清志学長や国際関係の方々をはじめ、多くの関係者の方々が、大変ご苦労され、海外修航海が継続されている。
 2019 年、第50 回を迎えようとしている。

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