ご挨拶
学校法人東海大学 理事長
海外研修航海企画委員会 委員長
松前 義昭
原点に立ち戻り、いま新たな第一歩を
学校法人東海大学 海外研修航海は、皆さんが乗船する今回で第51回目を数えます。これは役員12名・学生70名で1968年3月1日に出港した第1回研修航海から半世紀を経て脈々と続いてきたものであり、この研修航海は学校法人東海大学にとって歴史と伝統という重みを持つ特別なものであるといえるでしょう。このような特別な研修プログラムを継続して実行できるのは東海大学だけであることに誇りを持ち、かつ、このように特別な意味を持つ研修航海に勇気をもって参加の決断をした皆さんを、私は心から応援しています。
ここで温故知新の言葉にならい、第1回海外研修航海の寄港地を紐解いてみましょう。この時は、東京-那覇-基隆-香港-バンコク-マニラ-父島-東京という航路を取り、43日間の日程で研修が行われました。ここで皆さんはすぐに、今回の第51回でも寄港する那覇、バンコク、基隆が第1回研修航海に含まれていることに気が付くでしょう。出港での東京を含めれば、よりその相関性が増していきます。つまり、半世紀ひと回りしたうえで迎える第51 回海外研修航海は、第1回の研修学生が持っていたであろう熱く新鮮な情熱を再び思い起こし、また新たな気持ちで原点に立ち戻るとともに、新たなる51回目の研修を成し遂げるという意味合いが含まれているのです。
今回寄港するアジアの国々は特に近年の発展が著しく、第1回研修航海の当時とは国の状況も人々の雰囲気も大きく変化していることでしょう。また学生にとって、第1回の頃は外国に行くこと自体が貴重であったのかもしれませんが、50年の時を経て日本では海外旅行が身近に手の届くものとなっています。このように、海外研修航海を取り巻く環境そのものも、時代によって変化していきます。
一方で、船内にゆったりと流れる贅沢な時間、人と人が直接触れ合うことで得られる強い絆と信頼関係、意欲ある若者の持つ無限の可能性など、どんなに時を経ても変わらない普遍的な 事柄は確かに存在します。このように変化の激しい時代だからこそ、変わることなく続く価値観が浮き彫りとなって輝いてくるのです。
これら普遍的な価値観と研修航海の確たる意義を踏まえ、学園では今回の第51回海外研修航海を『新たな出発、新たな挑戦』と捉えています。原点に立ち戻り、気持ちも新たに研修を展開していきます。この研修に参加する学生の皆さんも、今回の航海が自分に対する新たな出発、自分に対する新たな挑戦であることを意識し、研修に臨んでください。皆さんにとって、この研修航海が新たな自分を発見する出発点となることを期待してやみません。