記念文集

第51回海外研修航海

■生活班4班

  • 岩田 美穂

    医学部

    海外研修航海中止の意味

       私は海外研修航海を通して、人とのかかわり方やコミュニケーション能力を学び将来に役立てたいと考えていた。事前研修では、班のメンバーと仲良くなり楽しい研修を行えた。一方で、38日間共に過ごしていき良い関係性を築いていけるのか、他の班の人達と仲良くなれるのかとても不安な思いも生まれていた。しかし、研修航海を終えた時、色々な人達と関われ仲良くなれたなら、自分自身成長でき良い経験ができているとも思い、頑張ってみようと考えていた。
       そんな中、研修中止の連絡が入った。事前研修で関わっていた人たちと再会して共同生活をすることは出来ないのだと思うと、とても悲しい気持ちになった。また、コロナウイルスがまだそこまで広まっていないのにどうして中止にするのだろうか、絶対にかかってしまうわけではないのにどうして可能性をつぶしてしまうのだろうかと納得もできなかった。
       今年の春休みをこのままで終わらせたくない私は、急遽セブ島への留学を決めた。本来ならば3週間の予定であったが、コロナウイルスの影響で、授業は1週間で中止になった。街に出ることへの制限がかかり、帰国便が無くなるという事態も生じた。日本に帰れない不安や、自分もコロナウイルスにかかってしまうのではないのかという恐怖に襲われた。その後、運よく帰ってくることはできたが、コロナウイルスを身近に感じ、その恐ろしさを体験した。
       この経験を通して、あの時研修航海が中止になっていなかったら集団感染をしていたかもしれない、船の中でパニックが起きていたかもしれない等、様々な状況が予想でき、研修航海を中止にした意図がようやくわかった。今回の研修航海を中止したことが正しい決断であったと理解できた今、その時の楽しみだけで物事を判断するのではなく、後先のことをよく考えて判断することの大切さを学んだ。

  • 杉本 朱音

    医療技術短期大学

    海外研修航海への思い

       研修航海に参加するにあたり、私の背中を押してくれた人が沢山います。1人目は、父親です。「色々な国に行って、様々な人や文化に触れ、視野の広い人間になってほしい」という父の思いもあり、1年生の時、デンマーク研修に行かせてもらいました。研修航海の話もしてはいましたが、決して安くはないため、行きたいとは言い出せずにいました。すると、2年生の実習中に「この実習に受かったら、研修航海に行ってきてもいいよ。」と父が言ってくれました。この一言が実習を乗り越える力となり、今回の研修参加に結びついたと思います。
       2人目以降は、医療短大の方々です。今回の研修団役員だった髙栁先生をはじめ、いつも私のことを支えて下さっている、お母さんのような5人の先生が「研修航海行かないの?行ってきなよ!」と声をかけてくれ、私が参加を決めると「帰って来た時の成長を楽しみにしているよ」と応援してくれました。また、事務にも非常に熱心な方がいて魅力を語ってくれました。そして、一緒に参加予定だった医療短大の研修生の人数も多かったので心強さがありました。
       研修航海中止の連絡を受けてから、約2週間何も手に付きませんでした。見えないウイルスを恨んでも仕方がないことは頭では分かっていましたが、受け入れられずにいました。そんな時、私の背中を押してくれた人達が、一緒にがっかりしてくれ、悔しい思いも共有してくれたことで、少し心が軽くなりました。事前研修も含めて41日間一緒に過ごすはずだった仲間との研修が3日間で終わってしまったことは本当に残念です。ですが、この経験から、将来私も患者の想いを共有し、患者の一歩に働きかけのできる看護師になりたいと思うことができました。
       背中を押してくれた方、研修団、研修航海に携わってくれた方、そして直前まで行くことを諦めないでくださった団の先生方、ありがとうございました。

  • 山口 彩乃

    観光学部

    短いようで長かった1ヶ月

       第51回海外研修航海は夢物語となってしましました。
       今回の研修が中止となってしまったことをとても残念に思いますが、現在の状況から出港する事に対して不安が大きかったため中止の連絡を受けたとき正直安心しました。一方、悔しさのあまり研修のしおりを破り、シュレッダーにかけて研修を無かったことにしようとしている自分もおりとても複雑な気持ちでした。大量の荷物を片付けている間も研修に行きたかった気持ちと行かなくて良かったと思う気持ちがぶつかり合い、様々な感情でいっぱいでした。また、出港日の2/20からは「本当だったら今日はここにいたはずだったのに」とGoogleマップで寄港地を辿っていました。そんな2/20~3/28の約1ヶ月はとても長く感じました。
       私は、洋上生活や洋上卒業式など東海大学でしか出来ない事を卒業前に経験したいと思いこの研修に応募しました。また、3日間の事前研修では学生長に任命していただき「研修学生みんなのやりたいことや気持ちを汲み取って形にしたい」「一生の思い出をみんなと作りたい」と任命式でスピーチをしましたが、海外研修航海の中止に加えて解団式も中止となりこれらの願いを叶えることはできませんでした。しかし、一緒に出かけたり食事に行き、他愛もない話ができる新しい仲間ができました。私はサークルや部活動に参加をしていなかったため、学年を越えた交流は貴重な時間であり大切な仲間です。
       また、学生長として学生達の意見をまとめ先生と連絡を取り、先生方と意見を交わすなど貴重な経験をさせていただきました。この経験で得た責任感やリーダーシップを今後の社会人生活で活かしていきたいと思います。
       意見を出したり、イベントの企画を進めてくれた副学生長の2人と86名のみんな、研修が中止になってからも何かできないかと夜遅くまで会議を重ねてくださった先生方、本当にありがとうございました。またいつか51回生で集まりましょう! 

  • 小尾 琴音

    教養学部

    海外研修航海の中止を受けて思うこと

       私は、様々な異文化に触れたいという考えから海外研修航海への参加を希望しました。私は高校生の時に、カナダへの留学プログラムへ参加したことがきっかけで、海外に興味をもつようになりました。カナダにいたのは、2週間という短い時間でした。しかし、多国籍国家で様々な人種の人が生活している環境に身を置くことで、多様性を受け入れる大切さを学びました。私も自分とは異なる考えを受け入れる柔軟さを身に着けたいと思い、もっと海外に目を向けたいと考えました。海外研修航海は、沖縄、マレーシア、タイ、ベトナム、台湾と5つの文化を1か月で体験できるまたとない機会だったため、とても楽しみにしていました。
       中止になったことを知った時は、楽しみにしていた分とても残念でした。しかし、現在もコロナウイルスの感染拡大が収まっていない状況を見ると、中止になって本当に良かったと思っています。私には応募をするチャンスがまだ残っているため、気持ちを切り替えることができました。
       海外研修航海は中止になってしまいましたが、異文化に触れたいという考えは変わっていません。また、研修航海で行くはずだった国について調べているうちに、日本にいても異文化について学び視野を広げる機会はたくさんあることに気づきました。今置かれている状況の中で、自分にどんなことができるかを考えて行動していきたいです。

  • 衣川 夏実

    体育学部

    自分の変化

       私は、第51回海外研修航海に参加したことで、自分の中で2つの変化があったと感じます。
       1つ目は、事前に細かい話し合いをすることの重要性に気づいたことです。普段の私なら、事前の話し合いでは事細かく考えず大雑把に形だけを決め、当日になって細かいことを決めるということが多かったと思います。しかし、大学交流の話し合いでは「もし会場が屋外だったら」「大学交流の準備に何日使うことができるのか」など事細かい話し合いを行ってきました。このような細かい話し合いをしていくことは様々な状況を想定することができ、当日どんな状況でも対応できるようにするための準備に繋がっていたと思います。そして、今回のように多くの人を動かしていくためには、このような細かい話し合いが必要不可欠であるということに気づきました。
       2つ目は、相手の意見の重要性に気づいたことです。普段の私は、相手の意見よりも自分の意見を突き通すことが多かったと思います。しかし、今回の事前研修では自分の考え方と大幅に違う人と話し合いを進め、1つのことに色々な角度から話し合いをしていきました。これらの経験を通して、以前よりも相手の意見を冷静に聞けるようになりました。そして、相手の意見を冷静に聞くことで、自分とは違う視点の意見を得ることができ、自分の意見を見直すことにも繋がっていることに気づきました。
       この2つの気づきは、私生活にも大きな変化をもたらしています。それは、研修後のサークルの会議で、自分の意見を持ちながらも相手の意見を冷静に聞き、自分と相手の意見の利点はどこなのか、利点を尊重するにはどうすればよいのかを冷静に考え、細かく話し合えるようになったからです。
       海外研修航海自体は中止となってしまいましたが、この研修に参加したことで、2つの気づきを得ることができ、自分の変化に繋げることができよかったと思います。

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