記念文集
■生活班7班
-
鈴木 千穂
教養学部
残念だったけれど…
私がこの研修航海に参加したいと思ったのは、コミュニケーションや積極性、何より自分に自信を持ちたいということから参加したいと思い応募させていただきました。自分を変えたい、という気持ちが一番大きいのですが、二番目の理由として私は海外へ一度も出たことがありません。本やインターネット、日本にいる海外の方からでしか外国の文化や食生活などを間接的にしか見ることが出来ていません。そのため研修航海で様々な国を直接自分の目で見て感じて実際はどうなっているのか、本やインターネットに載っている事は本当なのか、また、それを見て価値観を変えることが出来るのか、みんなで共同生活出来るその日を楽しみに待っていました。一人での参加だったので友達や仲間ができるかとても不安でしたが、みんなとても優しく、特に生活班のみんなと仲良くなれてとても良かったです。
中止の連絡が来たとき、私はバイトをしていてすぐに見ることが出来ませんでした。バイトが終わって中止の連絡を見て、ショックを受けました。そして自分が思っていたよりもショックが大きかったことにも驚きました。ですが今思えば、みんなの健康や感染の状況を考えたら中止という判断は良かったと思っています。みんなが無事でいればいつかまた会う事ができると思うし、また会いたいなと思っています。今回研修航海に行けなかった事はとても残念でしたが、状況が落ち着いてまた外に出られる様になった時に研修航海があればまた参加したいと思っています。 -
宮田 美和
工学部
事前研修においての貴重な経験
残念ながら今回の研修航海は開催されないという異例の事態となってしまいました。しかし、このような事は未だかつて無かったのではないでしょうか。そう考えると、逆に貴重な経験だったのかもしれません。また、決して悪い事ばかりではありませんでした。なぜなら、研修航海へ行く前に事前研修というものを乗船する全員で行い、そこで様々な行事や自身の役割などを決めるという経験をさせて頂いたからです。
事前研修では、2泊3日の共同生活をしました。そこでは男女別に6~7人程の班に分かれおり、これが船での生活班となりました。私の班(7班)のメンバーにおいては、一人一人が相手に思いやりを持って接しており、また自ら進んでやるべき事を率先して行うという非常に優しい方々でした。短い期間ではありましたが、打ち解けるのが早く、今でも大切な大切な友人となりました。また直接会ってお礼を言いたい…。
生活班での行動だけでなく、他にも行事ごとに様々なチームが組まれました。私は「洋上卒業式・卒業生を送る会」「ダナン(ベトナム)の寄港地調査」「クラブとして洋上オリンピック・パラリンピック」の3つに所属しました。限られた時間の中で、無数のことを出会って間もない仲間と共に決めて行動していく事は思っていた以上に困難ではありましたが、と同時に一体感や責任感また幸福感など様々な感情を共有することができました。そして、男女学年関係なく互いに意見を持ち合い、それぞれ任された役割を全うする姿勢も改めて学ばせて頂くことができたように思います。
とてつもなく濃い時間を短い期間ではありましたが、得させていただいた先生方や友人達、なにより両親に感謝を伝えたいです。そして、いつかまた再会した際には、『行くことは叶わなかったけれど、みんなと出会えた事は良い思い出です。』と語れるような成長した自分となっていることを願います。 -
饗庭 沙希子
農学部
「今でも…」
第51回海外研修航海に参加しようと思ったのは、第50回海外研修航海に参加した事がきっかけでした。当時の私は、事前研修を終えても、出発前日になっても、本当にやっていけるのか不安で仕方なく、ギリギリまで行く事を悩んでいました。しかし、帰ってくる頃には「ずっと乗っていたい」「みんなと離れたくない」と思う程でした。出発前に悩んだ事が嘘のように、海外研修航海の虜になっていました。そして私は研修中に決めた事がありました。『真っ青な空と海の真ん中で卒業したい』船の上で卒業する先輩たちを見て、私もこんな特別な卒業を迎えたいと思いました。
そして、2回目でも緊張した事前研修が終わり、準備を進め、宅配便で荷物を送った日の夜、研修航海中止の連絡を受けました。それより前から発生していたコロナウイルスの影響で、中止になる可能性を頭の片隅で考えていたものの、本当に中止になった事をしばらくは受け入れる事ができませんでした。ただ、今現在の状況を踏まえると、安全面的には、中止になった事が一番の選択肢だったと思います。
しかし、本来研修を終えて帰ってくるはずだった3月末現在になっても、中止となってしまった研修への気持ちを消化できていません。それは、乗れなかった悔しい気持ちをどこにもぶつける事ができないからだと思います。なぜなら、誰も悪くないし、しょうがないからです。もし、ぶつけられる対象があったとしても、乗りたかったと思う気持ちが消化できていたかは分かりません。また、いつになったらこの気持ちから乗り越えられるかは分かりません。でも、それはそれで良いのかもしれないと思います。今後、今回のように誰も悪くない、しょうがない理由で悲しい・悔しい気持ちになる事があると思うからです。そんな時、今回の経験が教訓として役に立つかは分かりませんが、いつかは「あんな事もあったな」と笑えるようになると思います。もちろん、今回の事も。 -
松下 朱里
文化社会学部
結果がすべてじゃない
大学生活を振り返った時に自分自身が誇れるような何かを一つでも残しておきたいという思いがあり、応募したのがこの第51回海外研修航海でした。人見知りで、緊張しいで、昔から新しいことを避けてきた私にとっては、応募すること自体がとても大きな挑戦であり、参加が決まった時は大学生活だけでなく、人生の中でも大きな出来事の一つとなりました。だからこそ、今回の海外研修航海中止により、私の挑戦が途中で断たれてしまったことがとても悔しいです。
海外研修航海直前の、海外に行くことへの不安の気持ちや楽しみな気持ち、初めての経験に対する期待や緊張など、さまざまな感情の中で準備を進めていた時の突然の中止発表。正直、嘘だと思いました。言葉が出ませんでした。何かに裏切られたような気持ちがしました。
中止の発表がされたとき、最初に考えたのは「もう皆に会えない」「会いたい」という思いでした。私は誰一人知り合いもいない中、事前研修で初めて会う皆と仲良くなれるか不安でした。しかし、皆も同じ思いだからこそすぐに打ち解けることができ、海外研修航海の成功に向けて話し合い、さまざまな企画を立てることができたのだと思います。たった3日間でここまで仲良くなれた仲間と全員で集まれなくなったのは悲しいですが、そう自分に思わせてくれた皆は本当にありがたい存在なのだと感じました。ありがとうございます。
そして、1年かけてこの海外研修航海を計画し、成功するように学生をサポートしてくださった団役員の先生方。私の挑戦を受け入れ、力を貸してくれた両親。その他、私の知らないところでも多くの方々が関わってくれたと思います。ありがとうございます。
結果が求められる社会で、何も得られなかったとしても、その過程が後の自分に良い影響を与えるのではないか。その可能性を感じた経験となりました。恐れずに挑戦して良かったと思います。本当にありがとうございました。