航海日誌
03/20(水)
【団役員コメント:後藤 貴志】
本日は午前中に吉田一也団長による最終の洋上講座、午後は明日に控えた洋上卒業式の後に行われる卒業生を送る会とFWパーティーの準備に充てられました。
吉田一也団長は、東海大学工学部を卒業後、大学院工学研究科博士課程を修了し、本学工学部の教員に着任されました。以来38年の長きにわたり工学部の発展に尽力し、併せてキャリア就職センター所長、入学センター所長、工学部長、研究担当副学長という要職を歴任されました。今年度いっぱいで専任教員の定年を迎える節目で、今回の洋上講座が最終講義という位置づけとなりました。
最終講義では吉田団長の経歴とともに、形状記憶合金を利用した「易解体(いかいたい)ねじ」の研究成果について、実際に形状記憶合金の実験も交えて、理工系分野の学生だけでなく、文系や体育系の学生にも分かりやすく解説をいただきました。この研究内容は、ねじに付帯するワッシャーに形状記憶合金を利用することで、各種工業製品の解体を容易にし、リサイクルに関わる手間と人件費を抑える環境にもやさしい技術です。この研究成果は国の大型競争的資金にも採択され、各種メディアにも多数取り上げられました。
講義の後には、研修学生から「形状記憶合金の加工に関する技術」や「金属疲労に関する課題」等の質問が寄せられ、吉田団長は学生からの鋭い指摘に感心しつつも、丁寧に一つひとつの質問に回答されていました。
質疑応答の後には、これから社会に出ていく若い学生たちへ、興味がある好きなことだけでなく、所属する組織の課題に積極的に取り組み、教養の幅を広げることで新しい世界観や技術が生まれる。ぜひ皆さんの希望を星につなげてほしい、と本学創立者の松前重義博士が掲げたメッセージを引用して講義を締めくくりました。
海外研修航海の団長という重責を担い、緊張感をもって研修学生の安全を第一に考えている姿から一変し、普段の一教員としての立場で楽しそうに学生たちに講義をする姿が、学部・大学院・教員と一貫して東海大学の発展に従事された吉田一也先生の人となりが伝わりとても印象的でした。吉田一也団長の38年間の長きにわたる功績に敬意を表するとともに、来年度からはまた違う立場で東海大学のさらなる発展にご協力をお願いしたいと思います。
【6班レポート:外山友貴 高柳鷹二朗 牛山昇津 山下洋平 荻原隆太 三枝建己 菊池裕人】
今日は吉田先生の洋上講座がありました。吉田先生の専門である形状記憶合金は非常に興味をそそられました。加熱によって形状が元に戻り、且つ何度でも繰り返し利用できるこの材料は無限の可能性が広がっているなと思いました。
さて明日は洋上卒業式です。大学生活4年間の集大成が明日となり、4年生は羽ばたきます。その準備が今日ありました。3年生以下は卒業式やFWパーティ、4年生は卒業生を送る会で歌う「思い出のアルバム」とEXILEの「道」の練習や配置の確認を行いました。4年生が行う内容は下級生には内緒にしていますが、この航海日誌を読むことができるのは横浜港に着いてからなので良しとします。
今日の航海日誌を書いているのは4年の外山です。最後に一つ、この場をお借りして伝えたいことがあります。本当は明日を迎えたくありません。この生活は非常に有意義であり、毎日が楽しいです。終わりが近づいているのは重々承知していますが、それでも、それでも明日を迎えたくないというのが現在の正直な心情です。
6班集合写真
卒業生による出し物のリハーサル
卒業生を送る会の打ち合わせ
洋上講座(吉田団長最終講義)
洋上講座(形状記憶合金の実験)